問題解説: 研究の国 第二のトラブル

ICTSC8参加者の皆様、二日間お疲れ様でした。

大阪工業大学3年の矢田一樹です。

この記事では私が担当した、「研究の国 第二のトラブル」を解説します。

コア技術:OSPF,VyOS,GREトンネル

問題文

トラブルを解決し、女の子との距離が縮まった。

女の子「ありがと~ さっきは助かったわ。私は、B組のパトリシア・トライよ。パトリシアって呼んでね? ところであなたたちはどこのクラスの人なの?」

エイト「実は私たちここの学校の生徒じゃないの。学校がどんなところか知りたくてきたのよ」

パトリシア「そうなんだ……お礼と言ってはなんだけど、学校を案内しようか?」

エイト「わーい! ありがと~」

パトリシア「あっ忘れてた! 魔法陣学入門の課題をやらなくちゃ。OSPFを動かしたいんだけど……」

エイト「え〜! 早く学校を見て回りたいのに〜! あんたたち、なんとかしてあげて!」

トポロジ図

  • 各ルーター(R1~R5)はVyOSを使っています。

 

今回のテーマ

  • VyOSでは設定しても、virtual-linkのneighborの関係しか張れずExchange状態で止まっていることに気づく。
  • 代替策としては、静的ルートかGREトンネルのどちらかですが、GREトンネルを使って、動的にルートを周す方がスマートです。

 

原因と解決方法

原因

  • Cisco機器の場合は、virtual-linkを張った際は正常に働きます。
  • ですが、VyOSの場合はneighborの関係を作った後にルート交換をしてくれません。

解決方法

  • 方法としては、2つあります。
  • 静的ルートで各ルーターの足りないルートに合わせて設定する。
  • virtual-linkの代わりに、GREトンネルを使うことで疑似的に全てのエリアがバックボーンエリアに繋がるようにする。
  • GREトンネルを使った具体的な設定は以下のようになります。

R2

delete protocol ospf area 1 virtual-link 4.4.4.4
set interface tunnel tun0 address 192.168.9以外の数.x/x(ここのアドレスは自由)
set inter tun tun0 encapsulation gre
set inter tun tun0 local-ip 192.168.9.68
set inter tun tun0 remote-ip 192.168.9.131
set proto ospf area 0 network 192.168.9以外の数.x/x(上記のアドレスに沿ったネットワークアドレス)

R4

delete prot ospf area 1 virtual-link 2.2.2.2
set inter tun tun0 address 192.168.x.x/x(R2のトンネルのアドレスと同じネットワークの範囲)
set inter tun tun0 encapsulation gre
set inter tun tun0 local-ip 192.168.9.131
set inter tun tun0 remote-ip 192.168.9.68
set proto ospf area 0 network 192.168.9以外の数.x/x(上記のアドレスに沿ったネットワークアドレス)

採点基準

  • R1からR5にpingが出来ている(60%)
  • 各ルータに動的 にルートが回っている(60%+40%)
  • 各ルータに静的にルートが回っている(60%+10%)

報告書にtracerouteによるルーティングテーブルの確認とR1->R5のpingの結果で判断します。

講評

  • virtual-linkをGREトンネルで代替することはVyOSでも出来ることを知ってもらえると嬉しいです。
  • 是非、ネットワークの勉強にVyOSを使ってみてください。